Seongha Rhee, Hyun Jung Koo, 2020. From quotation to surprise: The case in Korean. Journal of Pragmatics 155, 83-100.
要点
- 韓国語の mirativity を表す終助詞、 -tani などの発達について考えたい。
- ku-ka cwuk-ess-tani!
- he-NOM die-PST-MIR
- ‘That he died! (I can’t believe it!)’
- 歴史を追うと、
- 補文標識の機能として、伝聞による情報を、驚きを持って示す機能を持っていたのが、
- これは、引用や伝聞(reportative)が、それに値する情報を持つことが多いことによる
- 現代韓国語では mirative の意味を確立する
- 「他者による情報」の意味を離れ、「自身による情報」も含むようになる
- 話者は談話を構築するストラテジーとして文法的なマーカーを使うので、 -tani の機能も、驚き、強調などの多様な意味へと拡張したと考える
- mirative の発生は、以下の3つの要因に動機づけられると考える
- Source effect: 伝聞が通常、それに値する情報を含むこと
- The main-clause ellipsis effect: 話し手が感情的になり、文を十全に提示できないことを示す脱従属化が起こること
- The peripheral position effect: 右周辺部が (inter)subjective な意味への変化に晒されやすいということと
- なお、終助詞の多くはこれらの特性を兼ね備えているので、-tani のみが mirativity の意を独占するわけではない
- mirativity の文法的な概念と密接に関連する、認識や態度表出といったマーカーとその意を共有しあっている
雑記
- 韓国の人が書く英語って読みやすい気がする(SOVだから?)