中野伸彦(2001.12)江戸語の「~ばいい」
中野伸彦(2001.12)「江戸語の「~ばいい」」『山口大学教育学部研究論叢 1 人文科学・社会科学』51
要点
- バイイを以下の2つに分けて考える
- ~ばそれですむ
- a ~という手立て・事態の成立によって可能である:犯人は内側から鍵をかければよかった
- b ~という条件の下では許される・あきらめる:言いたくないならいい
- c ~が最低のラインは越えている:ハムレットのことだけ考えてればいい
- 話し手の希望を表す
- ~ばそれですむ
- 江戸語もa-cと基本的に変わらないが、差異もある
- 話し手の希望を表すバイイは、現代語ではガ・ケレドを伴うか、終助詞ナ・ネを伴わなければいけないが、
- 友達ができればいい{*φ/が/けれど/な/ね}
- 江戸語ではその制約がない
- 早くお出なら宜。(春色恋白波)
- トイイ・テモライタイにも同様の差異が観察される
- 不満を表明する場合、現代語ではノニ・モノヲなどが必須だが、江戸語ではその制約がない
- モウちつと長く切ればいゝ。(富賀川拝見)
- タッテイイ・テモイイについても同様(言ってくれてもいいのに)
- 話し手の希望を表すバイイは、現代語ではガ・ケレドを伴うか、終助詞ナ・ネを伴わなければいけないが、
雑記
- 43インチのモニタ、在宅のせいで研究室でお留守番してる😢