ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

複合辞

中野伸彦(2001.12)江戸語の「~ばいい」

中野伸彦(2001.12)「江戸語の「~ばいい」」『山口大学教育学部研究論叢 1 人文科学・社会科学』51 要点 バイイを以下の2つに分けて考える ~ばそれですむ a ~という手立て・事態の成立によって可能である:犯人は内側から鍵をかければよかった b ~とい…

藤田保幸(2017.3)複合辞であることを支える共時的条件:動詞句由来の複合辞を中心に

藤田保幸(2017.3)「複合辞であることを支える共時的条件:動詞句由来の複合辞を中心に」『龍谷大学グローバル教育推進センター研究年報』26 要点 通時的視点ではない、「複合辞が複合辞であることの根拠付け」を考える 前提 複合辞が複合辞であることは通…

中野伸彦(2015.2)近世における「~まじりに~」

中野伸彦(2015.2)「近世における「~まじりに~」」『近代語研究』18 要点 「AまじりにB」において、近世には、現代にない、AとBの仕手が異なる場合がある 現代語の「AまじりにB」 現代語のパターンの整理 ①[Bと合わせて外へ向けて発せられる行為]まじり…

馬紹華(2017.3)原因・理由を表す「せい」の成立について

馬紹華(2017.3)「原因・理由を表す「せい」の成立について」『訓点語と訓点資料』138 要点 望ましくない原因・理由を表す「せい」について、以下2点を明らかにする 「所為」から「せい」への変化の過程 原因理由用法の成立の過程 「所為」 源流として、 漢…

辻本桜介(2018.5)中古語の複合辞ニソヘテについて

辻本桜介(2018.5)「中古語の複合辞ニソヘテについて」藤田保幸・山崎誠編『形式語研究の現在』和泉書院 要点 中古に「に加えて」「につれて」に相当する意を持つ「にそへて」という形式があり(2,3節)、これは複合辞として認定できる(4節) 主に複合辞と…

砂川有里子(2000.10)空間から時間へのメタファー:日本語の動詞と名詞の文法化

砂川有里子(2000.10)「空間から時間へのメタファー:日本語の動詞と名詞の文法化」青木三郎・竹沢幸一編『空間表現と文法』くろしお出版 要点 空間概念を表す自立語が格助詞・接続助詞・助動詞へと変化する機能語化の類型について(論文では文法化、ここで…

藤田保幸(2016.2)引用形式の複合辞への転成について

藤田保幸(2016.2)「引用形式の複合辞への転成について」『国文学論叢』61 要点 「と」+「言う」「思う」「する」に由来する複合辞が種々あることについて、共時的観点から、「引用形式から複合辞がさまざま生まれるのには、それなりの契機というべきいき…

楊瓊(2017.12)原因理由を表す「によりて」について:漢文訓読の影響をめぐって

楊瓊(2017.12)「原因理由を表す「によりて」について:漢文訓読の影響をめぐって」『表現研究』106*1 要点 原因理由を示すニヨッテが「おかげで」のようなプラスの意で用いられるようになるのは、漢文訓読(特に仏典)のおかげ ニヨッテ成立説諸説 漢文訓…