篠崎久躬(1964.3)幕末期佐賀地方に於ける「カ」語尾:『滑稽洒落一寸見た夢物語』を中心にして
篠崎久躬(1964.3)「幕末期佐賀地方に於ける「カ」語尾:『滑稽洒落一寸見た夢物語』を中心にして」『国語学』56.
要点
- 幕末佐賀方言資料の形容詞のカ語尾について、
- 形容詞終止形・連体形(イ)の箇所に広く用いられる。
- 「青ヲかきれの赤アかきれのテ」*1
- カ語尾を取らない例があるが、高い層に属していたり、尊大な言い方であったりして、「普通のくだけた、日常一般に庶民が使用していたことば」ではない
- 「大きなか」の例が1例ある。
- 現代は漢語・タイ・ラシイなどもカを取るが、幕末佐賀方言にはその例はない。
- ただし、『井中水』(1808刊)の薩摩侍の言葉には、「抱寝つきたか」の例がある。
雑記
- この頃の研究ノート・短信相当の名前が「よせがき」なのかなりいい
*1:ノ並列…