ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

形容詞

安本真弓(2009.3)中古における感情形容詞と感情動詞の対応とその対応要因:中古前期・中期の和文作品を対象として

安本真弓(2009.3)「中古における感情形容詞と感情動詞の対応とその対応要因::中古前期・中期の和文作品を対象として」『国語語彙史の研究28』和泉書院. 要点 中古において、現代語よりも感情形容詞と感情動詞の対応(アサマシ・アサム、オドロカシ・オ…

金澤裕之(1997.4)助動詞「ない」の連用中止法について

金澤裕之(1997.4)「助動詞「ない」の連用中止法について」『日本語科学』1 要点 近年、規範的ではない否定の連用中止法「~なく」が認められる このとき本塁上には捕手はいなく木村の快走でこの回二点をあげて優位に立った。 ナク中止の特徴2点、 状態述語…

勝又隆(2005.10)上代「−ソ−連体形」文における話し手の認識と形容詞述語文

勝又隆(2005.10)「上代「−ソ−連体形」文における話し手の認識と形容詞述語文」『日本語の研究』1(4) 要点 上代におけるソの係り結び(論文では「ーソ―連体形」)が、推量系の助辞を結びに取りにくいことが何の反映であるのかを考える 機能の点から 上代の…

竹内史郎(2005.1)サニ構文の成立・展開と助詞サニについて

竹内史郎(2005.1)「サニ構文の成立・展開と助詞サニについて」『日本語の研究』1(1) 要点 サニ構文の先行論3点、 a 中古のサニは形容詞語幹+サ+ニ b 室町期は単一の形態素サニ c a,bより、[[…ノ~サ]ニ]→[[…ガ~]サニ]の変化と記述できる このう…

亀井裕子(2003.12)近松浄瑠璃における接尾語「さ」

亀井裕子(2003.12)「近松浄瑠璃における接尾語「さ」」『国語研究』67 要点 標記の問題について、サを以下の用法に分けて考える 文末のサ:詠嘆 文中のサ: 名詞としての用法 原因・理由を表すサニ 文末のサは、詠嘆の他に、詠嘆を表しながら「行為に至っ…

島田泰子(1995.3)接尾辞タラシイの成立

島田泰子(1995.3)「接尾辞タラシイの成立」『国語学』180 要点 タラシイは当初非独立的要素を取り、後に独立的要素を取るようになる タラシイの成立にはタラタラの関与が考えられる タラシイの一群と意味 タラシイの語例は以下の通りで、 1-3までは非独立…

村山実和子(2019.8)接尾辞「ハシ(ワシイ)」の変遷

村山実和子(2019.8)「接尾辞「ハシ(ワシイ)」の変遷」『日本語の研究』15(2) 要点 形容詞化接尾辞ハシは、中古には動詞からの派生、中世・近世に形容詞からの派生を行うようになり、近世以降に衰退する この変化は、同種の形容詞→形容詞化接尾辞の歴史と…

鈴木丹士郎(1999.10)近世における形容詞シシ語尾の展開

鈴木丹士郎(1999.10)「近世における形容詞シシ語尾の展開」『近代語研究』10 要点 近世の形容詞シシ語尾には終止法と中止法があり、 終止法が典型的に、強調の場合に用いられた その他形容詞の特殊な用法について シシ語尾の用法 終止法に使われる場合と特…

村山実和子(2012.10)接尾辞「クロシイ」考

村山実和子(2012.10)「接尾辞「クロシイ」考」『日本語の研究』8-4 要点 近世を中心に見られる接尾辞クロシイの意味用法を記述した上で、 クルシイ→クロシイ説を否定し、むしろクロシイ→クルシイであったことを示す 問題 近世に「形容詞~クロシイ」が見ら…

増井典夫(2015.2)形容詞終止連体形の副詞的用法

増井典夫(2015.2)「形容詞終止連体形の副詞的用法」『近代語研究』18 要点 今で言う「すごいおいしい」の近世・近代におけるあり方 上方ではえらい→きつい 江戸・東京ではきつい→おそろしい→すごい この用法の語は、一時代に一語だけが要請される、とする…

安本真弓(2010.3)古代日本語における形容詞と動詞の対応形態とその史的変遷

安本真弓(2010.3)「古代日本語における形容詞と動詞の対応形態とその史的変遷」『国語学研究』49 要点 対応関係のある動詞・形容詞組について整理 対応関係に3種類(形態としては5種類) 情態言から動詞・形容詞 動詞から形容詞 形容詞から動詞 分布のあり…

京健治(2015.3)シシ語尾形容詞と「不十分終止」

京健治(2015.3)「シシ語尾形容詞と「不十分終止」」『岡大国文論稿』43 要点 室町以降における、いわゆる「不十分終止」に関して、 耳も遠し、目も悪し、中にも、腰がかがうて、月日が、拝まれいで、是が迷惑な(狂言六義・腰折) 実盛心は猛けれども、老…