杉山俊一郎(2012.5)「中古和文における〈原因・理由〉を表す複合助詞の意味記述試論」『論輯(駒澤大学)』40.
要点
- 中古和文における、アマリニ・ニツケテ・ユヱニ・ニヨリテの4種について、
- 意味関係の明示性に、以下の2類が認められる。
- Ⅰ明示性が弱い:アマリニ・ニツケテ
- Ⅱ明示性が強い:ユヱニ・ニヨリテ
- Ⅰにはヤ・カの後接例、文末用法がない。
- 具体的な意味には以下の5類があり、ユヱニ・ニヨリテはアマリ・ニツケテに比べて標示可能な領域が広い。
- このうち、具体的には、
- アマリニは「極端な感情の結果、述語事態が随伴的に生じたこと」を標示し、
- ニツケテは「ある事態との遭遇に伴い自然に無意志事態が生起したこと」を標示する。
- ユヱニのニヨリテとの異なりは不明だが、「主体にとって例外的な事態や意外な事態を生じさせた原因」のような、特別なニュアンスを持つようである。
雑記
- 幼少期にPCでやってたゲームで曲は覚えてるのに思い出せなかったやつが突然Youtubeのおすすめに出てきた 泣ける