ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

中沢紀子(2004.11)連体修飾節にみられるウ・ウズル

中沢紀子(2004.11)「連体修飾節にみられるウ・ウズル」『筑波日本語研究』9

要点

  • 中世末期における連体用法のウ・ウズルについて、以下の点を示す
    • タリ・テアル・ズとの共起が少ない
    • 形式名詞を修飾しやすい
    • 連体節の事態が主節より後のもの

前提

  • ウ・ウズルは「未来」「推量」「意志・決心」「当然」などと記述されるが、連体節についてはどうか
  • エソポ・天草平家における、述部にウ・ウズルを含む連体節(ウ・ウズル+名詞)を観察する

連体節のウ・ウズル

  • 述部の構成要素を見ると、
    • テアル、ズとの共起が少ない
    • 動詞の種類に偏りはない
  • ウ・ウズルの被修飾名詞を見ると、通常の名詞に比して、形式名詞がウ・ウズルを承けることが多い
    • これは、無標の場合(形式名詞以外:形式名詞=1:4)と比べても言える傾向
  • 副詞との共起を見ると、
    • 過去の副詞との共起が見られず、現在や未来の時点、推量、程度・状態副詞などが見られる
    • cf.おん首をただいま討ちまらせうずることは、なかなかかなひがたい)
    • 連体節ウ・ウズルの述部が示す事態の時間的前後関係は、主節と比べて後である

雑記

  • お前の誕生日に結婚式するから来てね!って言われた