ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

連体修飾

山西正子(1979.2)連体形「タル」のあらわれかた:「中華若木詩抄」のばあいを出発点に

山西正子(1979.2)「連体形「タル」のあらわれかた:「中華若木詩抄」のばあいを出発点に」『中田祝夫博士功績記念国語学論集』勉誠社. 要点 タリ・タについて、中世後期においては、終止形・連体形ではタが優勢であるが、連体修飾の場合にはタルの存在も無…

金銀珠(2016.10)中古語の名詞修飾節における主語の表示:無助詞と「の」と「が」の相互関係

金銀珠(2016.10)「中古語の名詞修飾節における主語の表示:無助詞と「の」と「が」の相互関係」『日本語の研究』12(4). 要点 中古語の名詞節における主語の表示(髪{ノ・ガ・∅}長き女)は、「構造の大きさ」と「指示」という2つの指標で条件付けられ、各…

小亀拓也(2021.3)連体修飾節中に生起しにくい述語形式について

小亀拓也(2021.3)「連体修飾節中に生起しにくい述語形式について」『間谷論集』15. 要点 連体修飾節の統語的制限についての三原(1995)の議論を定量的観点から再検討したい 「判断確定性が最高次である確言のムード表現は連体修飾節中に生起可能であり、…

菊池そのみ(2019.1)古代語の「ての」について

菊池そのみ(2019.1)「古代語の「ての」について」『筑波日本語研究』23. 要点 標記形式(飲みての後は・万821)について、以下2点を考えたい 1 古代語における、テノによる連体修飾と、連体形連体修飾との間の差異 2 古代語のテノと現代語のテノの差異 調…

中沢紀子(2004.11)連体修飾節にみられるウ・ウズル

中沢紀子(2004.11)「連体修飾節にみられるウ・ウズル」『筑波日本語研究』9 要点 中世末期における連体用法のウ・ウズルについて、以下の点を示す タリ・テアル・ズとの共起が少ない 形式名詞を修飾しやすい 連体節の事態が主節より後のもの 前提 ウ・ウズ…