む
鈴木薫(2020.2)「中古中世における「むとす」と「むず」」『国語研究(国学院大学)』83. 要点 以下の分類を用意し、ムトスとムズの用法差を記述する 以下、①⑤は現代語のヨウトスルにはなく、ムトス・ムズには存する 意志的 ①自身の意向(文末):(自身が…
小林賢次(1995.2)「「(言わ)んばかり」考:慣用表現の成立と展開」『日本語研究』15 問題 ンバカリのンを打消のヌとして捉える立場と、推量のムとして捉える立場がある(前稿)が、どちらが妥当か 湯沢説は、当初はムバカリであったが、江戸時代には既に打…
山本淳(2003.6)「仮定・婉曲とされる古典語推量辞「む」の連体形:『三巻本枕草子』にある「らむ」「けむ」との比較を中心に」『山形県立米沢女子短期大学紀要』38 要点 枕草子を用いた連体ムの検証により、以下の点を指摘 連体ムに積極的な仮定の意味を認…
中沢紀子(2004.11)「連体修飾節にみられるウ・ウズル」『筑波日本語研究』9 要点 中世末期における連体用法のウ・ウズルについて、以下の点を示す タリ・テアル・ズとの共起が少ない 形式名詞を修飾しやすい 連体節の事態が主節より後のもの 前提 ウ・ウズ…
釘貫亨(2016.3)「上代語意志・推量の助辞ムの成立と展開」『訓点語と訓点資料』136 前提 活用助辞ム(いわゆる助動詞)が、精神的心理的意味を持つム語尾動詞から分出されて成立したと考える(釘貫2014) ムの意味は人称によって決まるのではなく、上接語…
釘貫亨(2016.3)「上代語活用助辞ムの意味配置に関与する統語構造」『万葉』221 要点 ムの意志・推量の意について、人称ではなく上接語の意志性がその意味の決定に関与することを示す 前提 活用助辞(いわゆる助動詞)ムが、ム語尾動詞のうち「精神的心理的…
矢島正浩(1993.2)「天草版平家物語における打消推量・打消意志の助動詞:資料性との関わりを中心として」『愛知教育大学研究報告 人文科学編』42 要点 天草版平家において、極めて近い用法を持つマジイ・マイが併存することに着目し、その意味について考え…
吉田永弘(2011.11)「タメニ構文の変遷:ムの時代から無標の時代へ」青木博史編『日本語文法の歴史と変化』くろしお出版 問題 タメニの意味が目的になるか原因になるかは、述語の意味と形式によってある程度決まる 意志性述語の無標形→目的:本を買うために…
栗田岳(2011.1)「しづ心なく花のちるらむ:ム系助動詞と「設想」」『日本語の研究』7-1 要点 ム系助動詞に「設想」の意味を規定し 久方のひかりのどけき春の日にしづ心なく花のちるらむ(古今 以下の2類に区分する Ⅰ 言語主体の推量・意志の作用とは関わり…
衣畑智秀(2012.1)「日本語における話者指向性」『福岡大学日本語日本文学』21 要点 金田一(1953)の「主観的表現」が示す「話者のその時の」という性質を「話者志向性」と呼び、 話者志向性が種々の文法カテゴリに見られることを示す hjl.hatenablog.com …
栗田岳(2014.12)「連体修飾のム:「思はむ子」をめぐって」『Language, Information, Text = 言語・情報・テクスト : 東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻紀要』21 要点 ムの連体用法を「被修飾名詞の非限定性」と規定する ムの連体用法 先行論…
高山善行(2005.10)「助動詞「む」の連体用法について」『日本語の研究』1-4 要点 「む」の連体用法は「非現実性の標示」の機能を持つ 特に、モダリティ史の観点から見る 問題点と研究方法 ムの連体用法は、仮定・婉曲とされるが、直感的理解に留まっている…
高山善行(2014.1)「条件表現とモダリティ表現の接点:「む」の仮定用法をめぐって」益岡隆志・大島資生・橋本修・堀江薫・前田直子・丸山岳彦(編)『日本語複文構文の研究』ひつじ書房 要点 「む」の文中用法の一つである仮定用法についての記述 仮定のム…
大木一夫(2012.9)「不変化助動詞の本質、続貂」『国語国文』81-9 hjl.hatenablog.com 要点 金田一の論証方法に従って分析を進めると、実は金田一の結論とは異なる帰結(文末に現れる形式も客観的である)が導き出される 併せて、金田一の指摘の現代的意味…
尾上圭介(2012.3)「不変化助動詞とは何か:叙法論と主観表現要素論の分岐点」『国語と国文学』89-3 hjl.hatenablog.com 要点 現代のモダリティ論は非現実形式としてのモダリティ(A説)と話者の主観表現としてのモダリティ(B説)に分かれ、金田一の不変化…
このあたりを読む 金田一春彦(1953)「不変化助動詞の本質:主観的表現と客観的表現の別について」『国語国文』22-2, 3 金田一春彦(1953)「不変化助動詞の本質、再論:時枝博士・水谷氏両家に答えて」『国語国文』22-9 尾上圭介(2012.3)「不変化助動詞…