勝又隆(2014.7)古代日本語におけるモノナリ文と連体ナリ文の構造的差異について
勝又隆(2014.7)「古代日本語におけるモノナリ文と連体ナリ文の構造的差異について」『西日本国語国文学』1.
要点
古代語の主節述部におけるモノナリと連体ナリは、以下の特徴を持つ。
Vナリは係り結びと共起しないが(高山2002)、モノナリはNナリ同様共起する(係助詞の介在例はどちらもある)。
ベキナリ・ベキモノナリは共に一般論を述べるという類似の用法を持つ一方で相違点もあり、「原因+~ナリ」はVナリにのみあり、モノナリにはない。すなわち、モノナリとVナリは単純な継承関係にはない。
Vナリがガ・ノと共起する一方([身のいと心憂き]なり)、モノナリ(と、おまけにヤウナリ)にはガ・ノが現れない。
1の特徴はNナリと共通し、3の特徴も用言述語文に近い振るまいであると考えられる。モノナリが当為などの「モノ」以外の意味を表すことから、現代語の文末名詞文と同種の構文が既に古代語にあったものと見ることができる*1。
雑記
- 「研究より校務できる人が一番」とか言っちゃう人、恥ずかしくないのかな