山本真吾(2010.12)平家物語諸本と中世語:延慶本の言語年代をめぐって
山本真吾(2010.12)「平家物語諸本と中世語:延慶本の言語年代をめぐって」『国文論叢(神戸大学)』43
要点
- 延慶本平家は鎌倉時代語資料とはされるが、転写は応永まで下るので、当時の言語現象を含む可能性がある
- このことを踏まえて、延慶本の資料性を、マホシ・タシの使用状況から確認したい
- 延慶本と、近似する長門本・盛衰記の使用状況を見ると、
- すなわち、マホシは旧延慶本の継承と見られるが、タシは旧延慶本にも存したものの、多くは室町初期まで下る可能性を孕む
- バシもタシと同様のふるまいを見せる
以上より、延慶本の「本文のすべてが無条件に十四世紀前半までの鎌倉時代語を反映したものと見なすことはできない」ことを認識しておく必要がある
これの続き
雑記
- 発表もなくなってしまった