村上昭子(1993.7)『大蔵虎明本狂言集』における終助詞「ばや」について
村上昭子(1993.7)「『大蔵虎明本狂言集』における終助詞「ばや」について」『小松英雄博士退官記念日本語学論集』三省堂
要点
- 舞台言語の文体の問題として、虎明本のバヤに焦点を当てて考える
- 「名乗り」とその後の独白による「行動予定の提示」を類型化すると、段階的な使い分けが見られる
- 類型は以下の5段階があり、
- 「にて候。~ばやと存候」などの、格調高く配慮の高い表現
- 「にて候。~{う/うずる}」など、↑と↓の中間
- 「でござる。~うと存る」など、観客への配慮として標準的なもの
- 「でござる。~う」など、↑と↓の中間
- 「ぢや。~う」のように、配慮を表す表現の中で最も低く、くだけた表現
- 虎明はこれらの段階を意図的に使い分けていると考えられる
雑記
- 休みの時期、時たま講義してるくらいのほうがちょうどいいな、とか思いがち(新学期始まったら1ミリも思わんくせに)