ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

高山善行(2016.11)準体句とモダリティの関係をめぐって:中古語の実態

山善行(2016.11)「準体句とモダリティの関係をめぐって:中古語の実態」福田嘉一郎・建石始(編)『名詞類の文法』くろしお出版

要点

  • 以下の観点から、中古における標記の問題について記述する
    • 準体句内のモの生起
    • モの後接要素
    • 準体句内のモと述部のモの関係
  • 調査は以下の範囲
    • ム系:ム・ラム・ケム・マシ
    • アリ系:メリ・終止ナリ
    • 形容詞系:ベシ・マジ
    • 特殊系:ジ
  • 準体句内の生起はム系に大きく偏る
    • 枕はケムがあるが、源氏にはない
    • 枕にはベシがないが、源氏にはある
    • 「アリ系の少なさは連体用法と共通するが、エビデンシャリティとどのように関わるのかなどが問題になろう」
  • 後接要素はハ・モ・コソが多く、ヤ・カ・ナム・ゾは少ない
  • 述部は、「{ム・ラム・ケム}~Φ」「ム~ム」が多い

雑記

  • 次はインターネット上で読める抄物にしようかな