小田勝(1996.10)「連体形接続法:源氏物語を資料として」『国学院雑誌』97(10)
要点
- 文中の連体形が接続句として解釈される例について考える
- 内裏にもさる御心まうけどもある[=のに]、[コノ月モ]つれなくてたちぬ。(例は全て源氏)
- 連体修飾語や準体句としても解釈できる場合が多く、それを除くと、以下の4種に分けられる
- 前置き:この夕つ方、内裏よりもろともにまかでたまひける、やがて大殿にも寄らず、二条院にもあらで、ひき別れたまひけるを、
- 継起・並立(=すると、その上):朝顔を引き寄せたまへる、露いたくこぼる。
- 順接:ものうげにすまひたまへりし(≒辞退なさいましたので)、げにをりしも便なう思ひとまりはべるに、
- 逆接:心にかかりて恋しきを、うたてある筋に思ひし(≒いやなことだと思ったが)、聞き明らめて後は、なほもあらぬ心地添ひて、
- 「名詞が単独で接続句的に働く」ことができることと関連するものと考えられる
- 汽笛一声 新橋をはや我汽車は離れたり(鉄道唱歌)
- 御門守寒げなるけはひうすすき出で来て、
雑記
- 会議は一生Webでいいよ