2022-08-29 山田昌裕(2022.3)格助詞「ガ」の用法拡大の様相:17世紀から明治大正にかけて 通史 近代 格 複合辞 山田昌裕(2022.3)「格助詞「ガ」の用法拡大の様相:17世紀から明治大正にかけて」『論究日本近代語第2集』勉誠出版. 要点 17C以降、格助詞ガの上接語が名詞句以外に拡張することを主張する 17C以降に、テ節・引用句を、 ひえてしとをしてがよからふ(醒睡笑) 何かわいそうがいるものか(春色梅児誉美) 18Cに連体詞・副詞・テカラ節などをとるようになり、 「主語表示機能を捨て、上接語を強調するために挿入された「ガ」」(「統語上取り除くことができる「ガ」」)や、 私からがいはずにゐませふか(傾城禁短気)*1 「複合助辞の一部に強調として組み込まれた「ガ」」もある 本人からしてが、何物だかほとんど要領を得ない(夏目漱石・坑夫) ~の念を~覚えたのは、この点についてが最も強かった(文章世界14-4)*2 p.56 雑記 こういうのずっと見ちゃう www.youtube.com *1:「統語上取り除くことができるという点で、統語的機能を担っているものではなく、上接の語句を強調するために使われていると思われる。」とあるが、取り除けることと、統語的機能を担わない(そもそも、統語的機能を担わないとは?)ことは等価でOKなんだろか?あと、仮にその機能が「強調」だとして(「強調」とは?)、なんでガなんだろか? *2:これはガが「余剰」ではない例だから主張に合わないとは思うけど、複合辞が分裂文を取る例(~のは~についてだ)って遅かったりするのかな?