勝又隆(2021.3)中古散文における「連体形+ゾ」文の用法:ノダ文・連体ナリ文との共通点と相違点
勝又隆(2021.3)「中古散文における「連体形+ゾ」文の用法:ノダ文・連体ナリ文との共通点と相違点」『筑紫語学論叢Ⅲ』風間書房.
要点
- ノダ文と連体ナリ文は比較検討されているが、これまで検討されたことのない連体形ゾも含めて考えると、以下の通り
- ゾが推量形式を含まずに推測を表せることに、特に着目する
分析
- 文体的には、連体ナリが会話文に偏る一方、ゾはそういった偏りがない
- 疑問文の場合、疑問詞疑問文に用いられる点で、ゾ・ノダは共通する
- 平叙文の場合、ゾには、田野村の〈知識表明文〉〈判断実践文〉〈想起文〉の例がある
- 下接する助詞について、
- ゾの場合はカシが多いが、用法との対応関係は見出せない
- ナリの場合、Vナリには終助詞が下接しないが(高山2002)、ナラムの場合にはナラムカシがあり、しかもそれは、〈判断実践文〉に偏る
- え人も聞きつけたまはぬならんかし(お聞きつけにならなかったのだろう、源氏・蜻蛉)
- すなわち、連体ナリは「原則として助辞を下接することで推測を表している」
- 推定・推量形式が上接するゾについては上表6の通り
- 下接する助詞について、
- ナリにはなくノダ文に見られる以下の3用法(野村2015)は、ゾにもない
- 「結果―原因ナリ型の事情文」、「発見」「現場的」用法、「命令・意志」
- 連体ナリが構成しない従属節は、ゾも構成しない
雑記
「専門性を全く生かさない仕事に時間を割くのは正直嫌」「研究費を獲得する書類を定期的に書くのも正直しんどいですし,獲得した研究費を使うのも色々事務処理がめんどくさくて」
- WAKARU OBU THA IYA-