山口明穂(1969.3)「中世文語における接続助詞「とも」」『国語と国文学』46(3)
要点
- トモの接続の様相を通して、文語行為について考えたい
- 詠歌大概註で宗祇は「ぬるとも」を「ぬるゝとも」に置き換えて説明する
- 当たり前のことのようであるが、宗祇自身の作には終止形トモの例も多い
- 単なる混同ではなく、「終止形として表現されているものを、理解するという次元において、連体形に置き換える」という傾向があったと考える
- これが、中世文語ではどうであったかを見ると、
- 宗祇の使用例は概ね終止形トモで、中世韻文においても連体形トモは少ない
- この点において、日常の言語感覚と文学作品の間には屈折があったということになる
- これは、係り結びを意識的に再現するといった行為とは異なり、「無反省的に」古代的表現を残したものと考える
雑記
- まじで今年旅費ゼロ円の可能性ありますね