ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

言語意識

山口明穂(1969.3)中世文語における接続助詞「とも」

山口明穂(1969.3)「中世文語における接続助詞「とも」」『国語と国文学』46(3) 要点 トモの接続の様相を通して、文語行為について考えたい 詠歌大概註で宗祇は「ぬるとも」を「ぬるゝとも」に置き換えて説明する 当たり前のことのようであるが、宗祇自身の…

山口明穂(1972.3)中世文語における「つつ」についての問題:意味認識の過程

山口明穂(1972.3)「中世文語における「つつ」についての問題:意味認識の過程」『国文白百合』3 要点 ツツは秘伝書において以下のように記述され、あゆひ抄などでは認識されている「一つの動作の反復」についての説明がない 程経之心(動作の経過)/二事…

新野直哉(2012.3)昭和10年代の国語学・国語教育・日本語教育専門誌に見られる言語規範意識 :副詞”とても”・「ら抜き言葉」などについて

新野直哉(2012.3)「昭和10年代の国語学・国語教育・日本語教育専門誌に見られる言語規範意識:副詞”とても”・「ら抜き言葉」などについて」『言語文化研究(静岡県立大学短期大学)』11 要点 タイトルまんま、専門誌の論文における言語意識の記述について …

原田大樹(2009.12)昭和30年代の共通語指導における「懲罰」と「奨励」:鹿児島県の方言札・表彰状等を通して

原田大樹(2009.12)「昭和30年代の共通語指導における「懲罰」と「奨励」:鹿児島県の方言札・表彰状等を通して」『広島大学大学院教育学研究科紀要 第2部』58 要点 懲罰としての方言札が強調されがちだが、実はそうではない共通語使用の奨励という側面もあ…

山本真吾(2018.4)鎌倉時代の言語規範に関する一考察:「古」なるものへの意識をめぐる

山本真吾(2018.4)「鎌倉時代の言語規範に関する一考察:「古」なるものへの意識をめぐる」藤田保幸編『言語文化の中世』和泉書院*1 要点 前後の時代と画される(引き裂かれる)「中世」が、国語意識史の中でどのように捉えられるかを、「古人」のあり方か…