上野隆久(2005.6)江戸後期から明治期における「~からのコトだ」と「~からだ」:『春色英対暖語』と『三四郎』を資料として
上野隆久(2005.6)「江戸後期から明治期における「~からのコトだ」と「~からだ」:『春色英対暖語』と『三四郎』を資料として」『日本近代語研究4』ひつじ書房
要点
- 接続助詞カラには、後件で原因・理由を述べ、「からだ」で締めくくる用法があるが、江戸語にはなく、「からの名詞だ」という型がある
- 一膳も売りたいからの事さ(金秤目)
- 英対暖語と三四郎を比較すると、*1
- 英対暖語にはカラダはなく、カラノコトダがあり、
- 三四郎にはカラノコトダは僅少で、カラダがカラ全体の5%程度見られる
- 以下の過程が想定される
- 1 事柄の起点を表す格助詞カラ
- 2 ~からの(一般名詞)だ
- 3 一般名詞が形式名詞コトに変わる
- 4 形式名詞が省略される*2
雑記
- 大学にひつじのこれないから揃えておきたいけど、4万は高すぎ、買えまへん