ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

感動文

近藤要司(2022.3)「活用語カナ」型詠嘆表現の衰退について

近藤要司(2022.3)「「活用語カナ」型詠嘆表現の衰退について」『神戸親和女子大学言語文化研究』16. 要点 活用語+終助詞カナ(活用語カナ)の衰退の要因を以下の点に求める 中古のカナは上代の「~も~かな」を引き継ぎ、話者の内面の情動そのものを述べ…

富岡宏太(2014.10)中古和文における体言下接の終助詞カナ・ヤ

富岡宏太(2014.10)「中古和文における体言下接の終助詞カナ・ヤ」『日本語の研究』10(4) 要点 カナ・ヤの共通点と相違点を考える 既知のこととして、両者は構文的に連体修飾を必須とするが、カナは「連体形Nカナ」、ヤは「形容詞・形容動詞語幹ノNヤ」とな…

近藤要司(2019.3)「をかしの御髪や」型の感動喚体句について

近藤要司(2019.3)「中古の感動喚体句について(3)「をかしの御髪や」型の感動喚体句について」『古代語の疑問表現と感動表現の研究』和泉書院(2013『親和国文』47)*1 要点 感動喚体句の典型の1つ、「~の~や」(他2つは~カナ、~ヨ)型について考える…

近藤要司(2019.3)『源氏物語』の助詞ヨについて

近藤要司(2019.3)「中古の感動喚体句について(2)『源氏物語』の助詞ヨについて」『古代語の疑問表現と感動表現の研究』和泉書院(1996『金蘭短期大学研究誌』27) 要点 いわゆる「詠嘆」を表すヨを、以下の2つに絞って考えたい 体言句に下接するヨ 活用…

近藤要司(2019.3)『源氏物語』の助詞カナについて

近藤要司(2019.3)「中古の感動喚体句について(1)『源氏物語』の助詞カナについて」『古代語の疑問表現と感動表現の研究』和泉書院(1997『金蘭短期大学研究誌』28) 要点 中古の感動喚体句、特にカナの特徴を考えたい Nカナ、活用語カナ、他の助詞との比…

近藤要司(2019.3)『万葉集』のハモについて

近藤要司(2019.3)「上代の感動喚体句について(2)『万葉集』のハモについて」『古代語の疑問表現と感動表現の研究』和泉書院(1999「係助詞の複合について(3)『万葉集』のハモについて」『金蘭国文』3) 要点 助詞ハは文末用法がないが、ハモは文末用法…

近藤要司(2019.3)『万葉集』の無助詞喚体句について

近藤要司(2019.3)「上代の感動喚体句について(1)『万葉集』の無助詞喚体句について」『古代語の疑問表現と感動表現の研究』和泉書院(2000『親和国文』35) 要点 終助詞を伴わない無助詞の感動喚体句について考える ~思ほゆる君(915) 連体修飾部を伴…

近藤要司(2019.3)古代語における感動喚体句の諸相について:関係する助詞に着目して

近藤要司(2019.3)「古代語における感動喚体句の諸相について:関係する助詞に着目して」『古代語の疑問表現と感動表現の研究』和泉書院(1998「古代語における感動喚体句表現の諸相について」『大阪市私立短期大学協会研究報告週』35) 要点 山田は感動喚…

笹井香(2006.1)現代語の感動文の構造:「なんと」型感動文の構造をめぐって

笹井香(2006.1)「現代語の感動文の構造:「なんと」型感動文の構造をめぐって」『日本語の研究』2(1) 要点 これまでの感動文の研究の中心はいわゆる感動喚体句(「きれいな花!」以下A型)であり、「なんと~だろう」型(以下B型)は周辺的位置づけであっ…