ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

主観・客観

衣畑智秀(2012.1)日本語における話者指向性

衣畑智秀(2012.1)「日本語における話者指向性」『福岡大学日本語日本文学』21 要点 金田一(1953)の「主観的表現」が示す「話者のその時の」という性質を「話者志向性」と呼び、 話者志向性が種々の文法カテゴリに見られることを示す hjl.hatenablog.com …

大木一夫(2012.9)不変化助動詞の本質、続貂

大木一夫(2012.9)「不変化助動詞の本質、続貂」『国語国文』81-9 hjl.hatenablog.com 要点 金田一の論証方法に従って分析を進めると、実は金田一の結論とは異なる帰結(文末に現れる形式も客観的である)が導き出される 併せて、金田一の指摘の現代的意味…

尾上圭介(2012.3)不変化助動詞とは何か:叙法論と主観表現要素論の分岐点

尾上圭介(2012.3)「不変化助動詞とは何か:叙法論と主観表現要素論の分岐点」『国語と国文学』89-3 hjl.hatenablog.com 要点 現代のモダリティ論は非現実形式としてのモダリティ(A説)と話者の主観表現としてのモダリティ(B説)に分かれ、金田一の不変化…

金田一春彦(1953)不変化助動詞の本質:主観的表現と客観的表現の別について

このあたりを読む 金田一春彦(1953)「不変化助動詞の本質:主観的表現と客観的表現の別について」『国語国文』22-2, 3 金田一春彦(1953)「不変化助動詞の本質、再論:時枝博士・水谷氏両家に答えて」『国語国文』22-9 尾上圭介(2012.3)「不変化助動詞…

青木博史(2011.6)日本語における文法化と主観化

青木博史(2011.6)「日本語における文法化と主観化」澤田治美編『ひつじ意味論講座5 主観性と主体性』ひつじ書房 要点 いわゆる「主観化」に関する批判的検討 これが一方向的な変化かどうか 「文法化」と関連付けられるものかどうか 「~キル」 語彙的複合…

Tomohide Kinuhata. 2012. Historical development from subjective to objective meaning: Evidence from the Japanese question particle ka

Tomohide Kinuhata. 2012. Historical development from subjective to objective meaning: Evidence from the Japanese question particle ka. Journal of Pragmatics 44. 著者Webサイトにプレプリントあり(PDF) 要点 日本語におけるカの間接疑問文の発達…