ronbun yomu

言語学(主に日本語文法史)の論文を読みます

類型化

小柳智一(2019.10)副詞の入り口:副詞と副詞化の条件

小柳智一(2019.10)「副詞の入り口:副詞と副詞化の条件」森雄一・西村義樹・長谷川明香編『認知言語学を拓く』くろしお出版 前提 副詞でないものが副詞になる変化の条件を考える つゆ(名詞→程度副詞)、すべて(動詞句「統べて」→量副詞) 副詞分類には統…

山際彰(2018.10)時間的意味から空間的意味への意味変化の可能性:「端境」の変遷を通して

山際彰(2018.10)「時間的意味から空間的意味への意味変化の可能性:「端境」の変遷を通して」『国立国語研究所論集』16 要点 「端境」は、一般的傾向に反する「時間的意味から空間的意味」という意味変化のように見えて、そうではない 前提 語の意味変化の…

田中章夫(1965)近代語成立過程に見られるいわゆる分析的傾向について

田中章夫(1965)「近代語成立過程に見られるいわゆる分析的傾向について」『近代語研究』1 要点 広義近代語への変化の過程として、整理・分散・単純による「分析的傾向」の存することを指摘する 分析的傾向 古代語の推量に関係する助動詞を見ると、 花咲か…

林禔映(2018.3)評価副詞の成立と展開に見られる変化の特徴

林禔映(2018.3)「評価副詞の成立と展開に見られる変化の特徴」『近代語研究』20 要点 「いっそ・さすがに・しょせん・せっかく・どうせ」を対象として、評価的意味を持つ副詞の形成に見られる変化の諸相を類型化する 意味変化として 変化前の語義・形態 名…

竹内史郎(2007.7)節の構造変化による接続助詞の形成

竹内史郎(2007.7)「節の構造変化による接続助詞の形成」青木博史編『日本語の構造変化と文法化』ひつじ書房 要点 ガ(格助詞→接続助詞)に代表される、節の構造変化による接続助詞の形成について、 他の事例の指摘 契機や要因の考察 ガ・ヲ ガ Xノ連体ガ:…

衣畑智秀(2007.7)付加節から取り立てへの歴史変化の2つのパターン

衣畑智秀(2007.7)「付加節から取り立てへの歴史変化の2つのパターン」青木博史(編)『日本語の構造変化と文法化』ひつじ書房 要点 係り結び、間接疑問文はいずれもその成立に注釈節が想定されるが、異なる特徴(係り結びは直接疑問)を持つ 「注釈節のよ…

Tomohide Kinuhata. 2012. Historical development from subjective to objective meaning: Evidence from the Japanese question particle ka

Tomohide Kinuhata. 2012. Historical development from subjective to objective meaning: Evidence from the Japanese question particle ka. Journal of Pragmatics 44. 著者Webサイトにプレプリントあり(PDF) 要点 日本語におけるカの間接疑問文の発達…

田中章夫(1998.10)標準語法の性格

田中章夫(1998.10)「標準語法の性格」『日本語科学』4 要点 文法形式の標準語らしさ・方言らしさを以下の3タイプに類型化し、 累加型・段階型 単能型・多能型 微差消滅型・微差保有型 これらがどのような歴史的経緯の所産であるかについても述べる 対照さ…

鳴海伸一(2013.11)副詞における程度的意味発生の過程の類型

鳴海伸一(2013.11)「副詞における程度的意味発生の過程の類型」『国立国語研究所論集』6 前記事の「けっこう」より前に書かれた、程度副詞の発生の類型化の論文(のうちの一つ) 要点 共時的観点から、工藤(1983)*1 スラッシュ以降は鳴海(2013)による…