文構造
堀川智也(1994.11)「文の階層構造を考えることの意味」『日本語・日本文化研究』4 要点 南のA~Dの分類は混質的で、各類の要素も「本質的な同質性を持ってまとまっているのではない」 従属節の従属度を本質的に考えるため、A類のテとナガラについて考える …
高山善行(1992.4)「中古語モダリティの階層構造:助動詞の意味組織をめざして」『語文』58 要点 以下の3つのテストから、モダリティ(+テ・ア)の助動詞と文構造の関係を考える 助動詞の下接 従属中の生起 係助詞との関係 結果は以下の通り ツ・ヌ・ベシ…
嶺田明美(2019.1)「従属節内の丁寧体と非丁寧体:接続助詞に接続する文体について」『学苑』939 要点 BCCWJに基づいて、従属節の丁寧体(降りましたホーム)について考える デスマスが後方共起する従属節を調査 三尾砂1942のデータと比べると、以下の通り …
李淑姫(2005.5)「中世日本語の因由形式ニヨッテの階層」『日本學報』63 要点 李(1998)では虎明本の因由形式の階層を以下のように記述したが、ニヨッテとトコロデはその前後で異なる特徴を見せる ホドニ・トコロデ・アイダはC類、已バ・ニヨリテ・ニヨッ…
李淑姫(2004.3)「中世日本語の原因・理由を表す接続形式の階層構造:抄物資料を中心に」『日本學報』58 要点 小林千草(1973)の中世末のホドニとニヨッテの指摘は、現代語のカラ・ノデと並行する ウ・ヨウ・マイが上接可能かどうか/後件に推量・意志・命…
近藤泰弘(1997.7)「「文の構造」をどう扱うのか:古典語の複文構造の概観」『国文学解釈と鑑賞』62(7) 要点 南の従属節分類に従って源氏の従属節を分類すると以下の通り A:て(様態)、つつ、ながら、で(否定)、連用形 B:とも、ば(仮定)、は(仮定)…
任利(2005.8)「文末の「かしら」と非文末の「かしら」:性差表示の出現位置をめぐる一考察」『筑波日本語研究』10 要点 現代語の文末カシラは使用者が女性であることを積極的にマークするが、 不定指示の機能を持つ非文末のカシラ(何かしら~)は、性差表…
小田勝(2008.2)「中古和文における助動詞の相互承接について」『岐阜聖徳学園大学紀要 外国語学部編』47 要点 要旨より、 相互承接に両様あるものは6種あるが、その一方を標準的承接順とみなすことができる 中古和文の助動詞は、その承接順を一様に確定す…
松尾弘徳(2008.3)「因由形式間の包含関係から見た天理図書館蔵『狂言六義』」『文献探究』46 要点 天理本の因由形式の包含関係は中世末のそれと、天理本の内部変異を反映する 前提 李(1998)の観点に基づき、天理本における因由形式の包含関係を調べたい …
李淑姫(2002.8)「『応永二十七年本論語抄』の因由形式の階層」『筑波日本語研究』7 要点 応永本論語抄のニヨッテは、キリシタン資料・虎明本と比べると階層的にはホドニに近い 前提 抄物における因由形式についての小林1973の記述 ホドニ・ニヨッテは口語…
李淑姫(2000.8)「キリシタン資料における原因・理由を表す接続形式:ホドニ・ニヨッテ・トコロデを中心に」『筑波日本語研究』5 要点 虎明本ではC類だったトコロデ・アイダが、キリシタン資料ではB類だった 前提 虎明本を分析した李(1998)では、 ニヨッ…
李淑姫(1998.10)「大蔵虎明本狂言集の原因・理由を表す接続形式について:その体系化のために」『筑波日本語研究』3 要点 虎明本の因由形式を、南の従属句の観点に基づいて分類する 前提 中世の因由形式の包含関係を階層的分類と関連付けて考えたい ホドニ…
榎原実香(2018.9)「文の階層構造からみたモの周辺的用法の分類」『日本語文法』18-2 要点 周辺的なモの統語論的位置付け 周辺的なモ 基本的なモ 太郎は大学生です。わたしも大学生です。 大学生={わたし、太郎、花子} 累加性の見られない、周辺的なモ …
近藤泰弘(2012.2)「平安時代語の接続助詞「て」の様相」『国語と国文学』89-2 要点 近藤(2007)の補強と詳細な分析 hjl.hatenablog.com 問題 A類:て・ながら・ず(否定)・で(否定)・連用形 TAMを含まない B類:とも・ば(仮定)・は(仮定)・ば(確…
劉洪岩(2015.3)「中古日本語の統語構造に対する漢文訓読の影響:主要部構造変容を中心に」『東アジア日本語教育・日本文化研究』18 要点 漢文訓読が日本語に及ぼした統語構造の変化について 問題 漢文訓読によって、基本的な構造(基本語順)は影響を受け…
野田尚史(2015.4)「文の階層構造から見た現代日本語の接続表現」『国語と国文学』92-4 要点 接続表現の、文の階層構造の中の位置付けを考える 前提 南モデルを発展させた野田に基づく、述語語幹~対人的ムードまでの階層 述語語幹・ヴォイス・アスペクト・…
小田勝(1994.7)「接続句の制約からみた中古助動詞の分類」『國學院雑誌』95-7 要点 小田(1990)の修正と、それに基づく助動詞の階層的分類 hjl.hatenablog.com 前提 接続句中の助動詞の出現の制限は文の階層性を反映するものである 小田(1990)を一部改…
小田勝(1990.8)「中古和文における接続句の構造」『國學院雑誌』91-8 要点 中古における日本語文構造の整理 ツツ-テ-トモ-未バ-已バ-ド・ドモ の階層を提示 前提 例えば已然形バは、めば、らめば、けめばを接続しないが、ド・ドモは承けることができる 心…
大堀壽夫(2012.11)「文の階層性と接続構造の理論」『国語と国文学』89-11 要点 南モデルに、RRG(Role and Reference Grammar)の理論を導入し、南モデルの現代的意義を検討する RRG RRG*1は、文の構造を3つの層からなるものと考える 内核(nucleus)、中…
このあたりを読む 金田一春彦(1953)「不変化助動詞の本質:主観的表現と客観的表現の別について」『国語国文』22-2, 3 金田一春彦(1953)「不変化助動詞の本質、再論:時枝博士・水谷氏両家に答えて」『国語国文』22-9 尾上圭介(2012.3)「不変化助動詞…